【12.07.11】 議会質問を振り返って
尾張旭市の財政状況をどう見るか?
6月議会、新市長の所信表明を受けて、市の財政状況について見解を聞きました。
私も「尾張旭市の財政状況はどうなの?」という質問をときおり受けますが
それにはたいてい、
「財政を比較する数字は、様々ありますが、よく出てくる財政力指数で見ると、
全国の自治体の上位2割程度には入っています。
市は議会で「特にご心配いただく状況にない」と、答えているんですよ」
などと話しています。
ところが、新市長の所信表明に「市民の皆さんと財政再建」という文言があり、
これでは市の財政に何か問題があるのではないかと、
誤解されかねません。
新市長は3月の市長選挙の時も「財政再建」と印刷物に書いており、
とても気になっていたのです。
「特にご心配いただく状況にない」と、
あらためて新市長に答弁してもらうことが、
この質問の目的でした。
案の定、
『従来同様「特にご心配いただく状況にない」と認識をしております』
という答弁が得られ、質問した目的は達成できました。
尾張旭市の財政が「再建」と表現されるような状況にないのですから、当然の答弁です。
「再建」と表現した理由は、日本全体の問題と捉えてのことだとの
市長答弁は、少し無理のある印象があります。
再建というのであれば、過去のどこかの時点まで、回復させるという意味にとれてしまいます。
不安を煽らないように、表現には注意しないといけません。
聞き直せば追求不足に気づきます
ホームページの原稿を書くために、
市議会の議会中継・録画で市長の答弁を聞き直しました。
あらためて聞いてみると、自分の質問の追求不足にも気づきます。
スポーツ選手は練習を録画して、フォームなどの検討に使ったりしますが、
自分の議会質問を聞くのは、それに似ているかもしれません。
自分の質問を聞くことは、私にとって苦痛ですが。
質問を上達させるのに効果はありそうです。
市長答弁は、
国の財政が厳しい。
国への予算措置要望に対して否定的。
(国へ要望する)意識を変えていく必要がある。
この部分に対して、もう少し、突っ込んで聞いた方が良かったかなと。
思います。
国の補助金がつくことによって箱物公共事業を助長してきた、
そのような過去を繰り返さないように
意識を変えたい。
という認識なら、私も理解ができますが、
国の財政状況が大変だから、社会保障関係の予算が切られても、
国に物を言わないというのであれば問題です。
国は無駄遣いもありますし、税金の集め方を変えれば、
社会保障を削減する必要はありません。
詳しくはこちらへ↓
消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言 http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/02/post-141.html
「財政再建」という表現についてお答えします…市長答弁
私の質問に対する市長の答弁は、以下のようでした。
録画は、このリンクからどうぞ↓
尾張旭市議会中継
http://www.gikai-web.com/dvl-owariasahi/index.html
まず、本市の財政状況についてであります。
歳入では景気低迷などの影響を受け、市税収入の増加が見込めず、東日本大震災以降、国や県からの交付金が減少しており厳しい状況にあると言わざるを得ません。歳出では、社会保障関係経費が確実に年々増加していくなか新規事業や都市基盤整備、公共施設の老朽化対策などにも多額の財源が必要になっております。
このような状況の中ですが、堅実な財政運営に努めて参りましたので、財政の健全化比率等の指標は改善しており、本市の財政状況につきましては従来同様「特にご心配いただく状況にない」と認識をしております。しかしながら、尾張旭市だけで考えれば、そのような認識となりますが、それはあくまで他の自治体に比べればという前提付きと考えている。特に震災以降、全国の自治体での国庫補助金への要望が一段と高まっており、知事会や市長会などの要望を見ましても、国での予算措置を求めるものが多いのが現実です。
しかし国家財政はもはやそのような状況にないことは、誰の目にも明白であるのにもかかわらず各自治体とも自己防衛のための要望が続いております。
いつかこうしたことに対する意識を、全国的に変えていく必要があると考えており、
日本全体の問題と捉えて、あえて財政再建と表現させていただいたものであります。